子供の将来のことを考えると、
「中学から進学校に行った方が後々人生が楽かな」
「中学から進学校に行った方が大学もいいところ狙えるかもなぁ」
「子供には苦労した人生ではなく安定した人生を送ってもらいたいなぁ」
と中学受験を考えている親御さんもきっと多いと思います。小さい子供を持つ私も、もちろんその一人。
「よしっ、中学受験を受けさせてみよう!」といざ考えても、中学受験のことがあまり分からず、親としてどう臨むか漠然とした不安を抱えてしまいますよね。
でも、お任せください!中学受験で有名進学校に入学し、旧帝大の大学院を卒業している筆者だからこそ、中学受験や中学校生活での経験を生かして、そういった不安の解消に役立てます。
この記事を読めば、中学受験の心構えや、親として子供とどのように歩んで行けば良いかが見えてきます。
具体的には、中学受験に臨む親が心に留めておくべき3つの「余裕」を紹介。
私も小さい子供を持つ親の一人です。ぜひとも情報を共有していきましょう。
親として気にするべき3つの「余裕」
進学校の中学受験や中学校生活を経験してきた私としては、中学受験に臨む段階では親として3つの「余裕」を心に留めておくことをおすすめします。
その3つとはこちら。
3つ「余裕」
- 時間的な「余裕」
- 親の気の持ち方の「余裕」
- 子供の伸びしろの「余裕」
それでは、次から3つの「余裕」に関してそれぞれ解説していきますね。
時間的な「余裕」|4年生から塾で準備開始がおすすめ
まずは、時間的な「余裕」。これは、中学受験までの準備期間のことです。
有名進学校の中学受験に関しては、準備期間に3年ほどと考えておいた方が良いです。内訳としては、こんな感じかな。
準備期間の内訳
- 最初の2年:受験に必要な知識を学習する期間。つまり知識を蓄える期間。
- 最後の1年:受験に必要な知識の仕上げ(定着)をする期間。復習期間と受験校の問題に慣れる期間。
そして、その準備期間の勉強の仕方ですが、以下の4つが考えられます。
勉強の仕方
- 小学校だけの勉強
- 独学で勉強
- 家庭教師に教わる
- 塾に通う ← これが一番おすすめ
①と②に関しては、親が中学受験に精通していて教える技術でもない限りやはり厳しいです。
そうなると塾と家庭教師の2択ですが、これはあと2つの「余裕」の項目でも書きますが、子供たちがお互い切磋琢磨することができるという点で塾に通うことをおすすめします。
しかも、塾の場合はある程度宣伝を信じても良いですが、家庭教師に関しては少し慎重に探した方が良いです。
このことに関しては、私も過去に何人もの生徒の家庭教師をした経験から言えることがあるので、これはまた別の機会にでもお話したいと思います。
ここまでの話から、中学受験までの準備期間に関してまとめるとこんな感じ。
準備期間のまとめ
準備期間に3年ほど必要なので、小学4年生から塾に通うのが効率的にも良くおすすめ。実際に塾もこれくらいの年齢を考慮して受験勉強を進めていくところも多いです。
3年生からなど早くから対応するのは問題ありませんが、5年生から始める場合は、受験には算数の計算方法など独特なものも多いため、追いつくまで少し努力が必要になるかもしれません。
だからといって、5年生からだと無理というわけではないです。実際に私の周りでも5年生から塾に通い始めて受験に成功した子供もたくさんいます。
ちなみに、塾に通うまで(4年生になるまで)につけておくと塾にサッと馴染める能力は、計算力と読解力だとです。特に読解力があると、国語だけでなく文章題の理解にも役立つため、かなり有利。
筆者の一言
私の場合、塾に入った4年生の当初は読解力が少々弱く、問題の意図を理解できないということも多々あって苦労しました〜汗汗
読解力を付ける方法は次の記事に書いているので、ぜひ併せて読んでみてください。
-
小学生の読解力を日常生活で鍛える方法|中学受験にもおすすめ
-
小学生(低学年まで)の「計算力を鍛える2つの方法」と「やってはいけないこと」
親の気の持ち方の「余裕」|子供の気持ちを大切に
2つ目は、親の気の持ち方の「余裕」です。これは、親の方が受験に入れ込みすぎてしまい、子供の気持ちをないがしろにしていないかということです。
私が見てきた中で、子供の勉強に親がかなり積極的に、というかスパルタ的に関わっていた子供達は、受験近くになって周囲に比べて成績が伸びていなかった記憶があります(もちろん全員が全員そうというわけではありませんが)。
これは、塾が勉強の場だけになっていて、友達と切磋琢磨する場所になっていなかったのが原因の1つかなと思います。
その点友達と楽しい会話をしつつ、勉強というよりも塾に行くこと自体を楽しんでいたメンバーは、比較的最後まで成績が伸びていた記憶があります。
筆者の経験談
最初はすごく成績が良かったのに最後の方はあまり伸びずにいた子に「どんな感じで勉強しているの?」と直接聞いたことがあります。
その子が言うには、「親が厳しく勉強を要求するので、塾の前はもちろん、終わった後もすぐ家に帰って勉強しなければならなくてしんどい」ということでした。
この返事を聞いて、「いつ遊んでるの?」と子供ながらにメチャクチャ驚かされた記憶があります。
親が子供の勉強に積極的に関わるなとはもちろん言いません。中学受験の場合は、ある程度は親がレールを敷いてあげる必要があります。
しかし、子供に勉強ばかりを求めるのではなく、他の子供達とよい意味でライバル関係を作れるような環境作りを大切にしてほしいかなと。塾に行くのが楽しくなれるのも受験を成功させる秘訣です。
筆者の一言
私も、塾の前や後に塾の友達と一緒にお菓子を食べたり、公園で他愛もない話をしたりと、それがすごく楽しかった思い出として今も残ってます。
親としては、子供の成績が色々と気になったり、焦ったりする場面に直面することが多々ありますが、親の意向だけを強要するのではなく、子供の気持ちも大切にしながら、一緒に受験を乗り越えていく気持ちの余裕を持つことが大事です。
余裕がないと、結局は子供とケンカになってしまい、お互いストレスの原因となってしまいます。できれば、これは避けたい。
子供の伸びしろの「余裕」|思考の柔軟性
3つ目は、子供の伸びしろの「余裕」です。これは、受験というよりも中学に入ってからのことで、進学校の授業についていくための思考の柔軟性や気の持ち方のこと。
私自身何人か見てきたのですが、入学後に学校での授業についていけず、一年未満で別の中学校に転校していく子達がいます。
その子達と小学生の頃に同じ塾だった同級生の話を聞くと、決して成績が悪かったわけではなく、どちらかというとかなり優秀な子達だったということです。
この原因として近くで見ていて感じたのが、授業に対する対応力です。塾で学んでいた当時はついていけたはずなのに、進学校の授業になった途端何故かついていけなくなる。不思議ですが、意外と起こりうることで、この辺りが本人の伸びしろ(思考の柔軟性)や気の持ち方が関係してきます。
成績が振るわない場合でも、正直なところ挽回できる機会や時間はかなりあります。つまり重要なのは、そういう状況に陥った時に気持ちを切り替えたり、勉強法を柔軟に変える思考を持つことです。
筆者から一言
私自身も一年の一学期の成績では、45名ほどのクラスで下から5位以内でした。しかし、友達にどうやって勉強しているのかを聞き、夏休みに自分なりに勉強法を変えることで、二学期からはクラスの半分より上位になることができました。
このような気持ちの切り替え方や思考の柔軟性は、受験時やそれ以降にどのようにしてつけていけば良いか難しいところなのですが、下記の2つの能力を鍛えておくことをおすすめします。
ポイント
- 色んなことに興味を持てること。つまり好奇心や探究心の能力
- 友達と仲良くなれること。つまりコミュニケーション能力
これに関して親としてできることは、子供の興味の持ったことを肯定し、それについてよく話し、そして良く褒めることです。
自分が興味を持ったことを親に褒められるというのは、子供にとってこの上なく嬉しいことで、それによって更に新しいことに興味を持つようになるし、よく話すことでコミュニケーション能力の向上にも繋がります。
親としては、子供と良い時間を過ごすことで、子供の伸びしろの「余裕」をどんどん大きくなるようにしていきましょう。
【 番外】金銭的な「余裕」|学費も気になるけど…
最後にもう一つ、親として気になることとして、金銭的な「余裕」があります。
私立の進学校になるとそこそこ学費が必要になり、金銭的な余裕も必要ではないかという考えもあると思います。
しかし、これに関しては、助成金などの制度をうまく利用していけばかなり負担は軽減される場合もあるので、色々と調べてみることをおすすめします。
サイトをチェック!
各都道府県でそういった情報がまとめられているサイトが大抵あるので、一度見てみてはいかがでしょうか?「私立中学 学費 補助 (都道府県名)」などで検索すれば、情報にたどりつけます。
中学受験を考えている親が気にすべき3つの「余裕」のまとめ
中学受験は、高校や大学受験よりも親が関わることの多い受験です。そうなると、どうしても親の意向がいつの間にか強く出すぎて、子供の気持ちを置いてけぼりにしがち。
でも中学受験の主役は受験生である子供です。親としては、子供のやる気の邪魔にならず、しかし縁の下の力持ちとしてしっかりと支えていきたいものです。
この記事で書いた3つの「余裕」を心に留めて、中学受験を親子共々楽しい良い思い出となるように乗り切っていきましょう!